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全国の書店員による、おすすめ本のフリーペーパー「晴読雨読」通称"はれどく"の公式ブログです。


by haredoku

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『はれどく vol.6』 後篇

まだまだあるぞ! 「re-born;再生」な本!
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『スープの国のお姫様』樋口直哉(小学館)
食べ物には記憶も歴史も詰まっている。思い出も。そして力だけではなく、気持ちもよみがえらせることができる。たったひと皿のスープが持つ、これからの自分を切り拓いていく原動力。ほんと食べ物って偉大だなあ……。
【紀伊國屋書店 横浜みなとみらい店(神奈川県)安田有希】


『空色メモリ』越谷オサム(創元推理文庫)
デブがなんだ! オタクがなんだ! 非モテがなんだ! 自分で自分にレッテル貼って何になる? 殻は破る為にあるんだよ。ほら、恐れも迷いも小脇に抱えて、初めの一歩を踏み出してごらん。きっと生まれ変われるよ。
【丸善 津田沼店(千葉県)沢田史郎】


『太陽のパスタ、豆のスープ』宮下奈都(集英社文庫)
すこやかな言葉とおいしい食べものさえあれば、人生に取り返しのつかないことなんて滅多に起こらない。心がお腹を空かせたときは、宮下奈都さんの小説を読んでひとやすみ。そしたらまた、ゆるゆると歩きだせるはず。
【紀伊國屋書店 グランフロント大阪店(大阪府)星真一】


『室生犀星詩集』福永武彦 編(新潮文庫)
〝 ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの 〟
言わずとしれた「小景異情」の名フレーズ。心の故郷とも言うべき、まさに原点。読み返すたびに自分を取り戻せる。問答無用、さすが犀星(再生)だ!
【三省堂書店 神保町本店(東京都)内田剛】



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『カヌー犬・ガク』野田知佑(ポプラ文庫)
小さい頃学区内を流れる小川でよく遊んだ。護岸工事されていない正しい日本の川だった。本書にはもう再生されない正しい日本の川がたくさん詰まっている。思いをはせ、川に行きたくなる。
【TSUTAYA 枚方駅前本店(大阪府)鈴木正太郎】


『わたしをみつけて』中脇初枝(ポプラ社)
現実世界に生まれ変わりがあるとするならそれは過去のトラウマを乗り越え新たな一歩を踏み出す瞬間だ。これは一人の女性の「生まれ変わり」の物語。決して劇的ではないけれど、じんわりと心に残ります。
【蔦屋書店 イオンモール幕張新都心(千葉県)後藤美由紀】


『ヘレン・ケラー』砂田弘(ポプラポケット文庫)
「人の力になりたい」小さな頃から持ち続けている信念。ちょっとしたことで揺らぐ心。不器用で迷子になる心。そんな私を何度も支え、包み込み、強き心へと変えてくれている大切な一冊。
【山下書店 南行徳店(千葉県)髙橋佐和子】


『妖精配給会社』星新一(新潮文庫)
すべての短い物語を読むたび、古い自分が死に、新しい自分が芽生えるのが感じられる星新一のショートショート。こりかたまった感性にエル氏を! つまらない毎日にエフ博士を! 「ひとつの装置」でわたしは両頬をひっぱたかれた。
【丸善 津田沼店(千葉県)酒井七海】



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『映画篇』金城一紀(新潮文庫)
映画をモチーフにした5つの短編は、どの作品も誰かを救う物語になっています。なかでも「太陽がいっぱい」は今回のはれどくのテーマに合った作品で、物語の持つ力を感じさせてくれる素晴らしい作品です。
【堀江良文堂書店 松戸店(千葉県)髙坂浩一】


『伏 贋作・里見八犬伝』桜庭一樹(文春文庫)
江戸時代のベストセラーの一つだった「南総里見八犬伝」は芝居、映画、人形劇、アニメ,漫画になり様々な作家の手で小説になってきた。その最も新しい姿がコレ。新しい舞台を得て躍動する、時を超え生き続ける物語の力を感じて!
【明林堂書店 日出店(大分県)後藤良子】


『屍者の帝国』伊藤計劃 円城塔(河出書房新社)
伊藤計劃の未完の絶筆を円城塔により書き継がれた物語。その意味でも「再生」された物語なのですが、この世界ではフランケン技術が発達して屍者たちが「再生」され、ワトソンやMやレッド・バトラーなどの有名な物語の登場人物が「再生」されるまさに「再生」の物語(でも、わたしは本当はこの物語は円城塔さんから伊藤計劃さんへのラブレターだと思っています)。
【紀伊國屋書店 横浜店(神奈川県)川俣めぐみ】


『盤上のアルファ』塩田武士(講談社文庫)
職を失くし、家も失った彼に残ったのは、かつて夢破れた将棋の道だけだった。冬でも黒タンクトップ1枚の暑苦しい男・真田信繁。僅かな可能性に掛けてギリギリの勝負に挑む男に周りもそして読者も気付けば熱く応援する!
【サクラ書店 平塚ラスカ店(神奈川県)栁下博幸】



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『ルリユールおじさん』いせひでこ(講談社)
木のこぶのようなデリケートな魔法の手。この手で修復され丈夫に装丁されるたびに、本は新しい命を生きる、未来に向かう。仕事をする手に見入ってしまう。本にぴたっと吸い付く手、ほしいと思ってもそれは叶わない。
【書店員・ころころむし】


『星河万山霊草紙』鈴木有布子(講談社ITANコミックス、全2巻)130年前に行方不明になった夫・天馬を待ち続ける遠い祖先のケヤキの精「ほおずき」に想いを寄せる少年一歩(かずほ)。そんな一歩に次第に惹かれ始めるほおずきであったが……。輪廻に操られる二人の想いの先に幸せは訪れるのか?
【黒木書店 井尻店(福岡県)原田みわ】


『嫁の遺言』加藤元(講談社文庫)
右向き三角形「▶」は世界共通で「PLAY(再生)」の意味。その昔、磁気テープを左から右に送りながら再生していた名残り。ラジカセやVTRを知らない世代に「巻戻し」はもう理解できないのでは。懐かしさ漂う短編集。「カサブランカ・ダンディ」が頭から離れません。
【明林堂書店 大分本店(大分県)前畑文隆】



衝撃保証! のオレ的三大再生物語
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 ミステリマニアで有名なわたくしですが、実は「タイムスリップする小説」が大好物です。今までで観た映画のマイベストには「バック・トゥ・ザ・フューチャー」3部作を絶対入れるし、かつて自分のホームページで「タイムスリップ小説」のデータベースを作ってたこともあります(今はもうありませんが……)。今回は「再生」がテーマということで、タイムスリップネタとミステリの融合という、まさに私好みの作品を二つ紹介しましょう。

 西澤保彦『七回死んだ男』(講談社文庫)。同じ一日を九回繰り返す「反復落し穴」に嵌った男が、その反復中に祖父が殺されるのを阻止しようとするが、反復するたびに別の方法で祖父が殺されてしまう……設定も奇妙なら真相も驚愕、「こんなアイデアがあったのか!」と刊行当時に衝撃を受け、西澤SFミステリの大ファンになったものです。今や時空SFミステリの定番。
 乾くるみ『リピート』(文春文庫)。謎の男の招待を受け、記憶を維持したまま十か月前にタイムスリップした十人の男女が次々に死んでいく……。いま、『イニシエーション・ラブ』が「二度読み必至!」とかで売れまくってますが、趣向の面白さではこちらも負けてない。というか、実はこちらも再読必至。『イニ・ラブ』だけが乾くるみじゃあありませんぞ。なお本書には、大森望さんによる懇切丁寧な「タイムスリップ小説解説」もあるのでお得です(『七回死んだ男』も登場します)。

 そしてもう一作、今回のテーマにぴったりな作品を紹介します。こちらはホラーですが。
 綾辻行人の「再生」という短編(角川文庫『眼球綺譚』収録)。特殊な病に苛まれた挙句、自分の顔を暖炉で焼いてしまった妻。身体を切ってもその部位が再生される、という彼女の話を信じて首を切り落とし、首の「再生」を待ち望んだ夫であったが……ちょっと哀しい話だなあ、と思いながら読んでて、ラストで思わず「うわあっ!」と声を上げてしまった記憶があります。

 ところで、「再生」→「リボーン」→「リボン」、リボンといえば、AKB48総監督・高橋みなみのトレードマーク。というわけでここからはAKBの話でも……あ、字数が尽きた。(ちなみに乾くるみさんは在宅AKBヲタなのです。ほら、無関係じゃないでしょ?)

【啓文社 コア福山西店(福山市)三島政幸】



一寸先は闇か光かなんて、自分次第なんだ
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 ある日「僕」は拾われたらしい、拾ったのは「山崎さん」という姉さん。いえ、ワタクシではありませぬ。そんな面白そうな出来事あったら絶対に誰にも言わないもの、ねぇ。過去については触れず、淡々と現在の「僕」が積み上げていく不思議な手触りの物語は中村航作品としては珍しいかと。【履歴書】が客観的に自分を表すものなら『リレキショ』(河出文庫)は新しい自分を再生するものかもしれない。

 四人の女子高生のそれぞれの立ち位置から見た今と、目指す未来。生真面目に時には茶化しつつも歩きだそうとしていたはずだったのに。椰月美智子『その青の、その先の、』(幻冬舎)。彼氏・亮司の事故、想像を超えた付随する出来事に、亮司は哀しい選択を下そうとする。まひると亮司が思い浮かべた未来地図は叶うのか。絶望と生まれ変わることの間にはきっといくつかの糸があってどの糸をつかむかで明日は変わる気がする。

「再生」には取り戻すの意味もある。朝陽昇『空想郵便局』(マックガーデン)。全てに執着なく何となく生活を続けている、高校生の真今。雨の中走るバイクから妙に癇に障る鳩を注視していた為に事故・意識不明の重体となる。あの世とこの世の端境の世界で目覚めた真今は生き返る為に「配達人」を引き受ける羽目に。自分が「生きる」ことと家族の一員として「生きる」意味を考えさせてくれる。まさか諸悪の根源の鳩が○○になるとはねぇ。

 もう一つ。木根尚登『キャロル』(角川文庫)。取り戻すのは肉体や思想、政治だけとは限らない。この本で取り戻したいのは「歌」。とあるイギリスの街に住むキャロル・ミューは歌うことが大好きな少女。当たり前の毎日から突然世界は音のない、歌うことなどありえない異空間へ変貌を遂げる。そんな中、何処からかキャロルを呼ぶ声が聞こえてきた。「失われた歌を取り戻して欲しい」と。声に導かれるままキャロルは森へと足を踏み入れて行く……。ん、どっかで聞いたよーな? と思った方もいらっしゃいますよね。TM NETWORKのアルバム『CAROL』の原作がこちらなんです。音の無い世界を再生する為にキャロルの戦いが始まります。……紹介しておいて何ですがこの本、絶版なのです。あう、石投げないで下さーい! 本当に良い物語ですから重版して欲しいと切に切に願っております、はい。

【紀伊國屋書店 名古屋空港店(愛知県)山崎蓮代】



連載 有楽町の食いしん坊・新井見枝香の “ 読んでから食う? 食ってから読む? ”
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「お前はまだサンセイドーを知らない」

はじめまして。僕は三省堂書店有楽町店でアルバイトを始めたばかりの大学一年生です。最近読んでいちばんおそろしかったマンガは、井田ヒロト『お前はまだグンマを知らない1』(新潮社)です。
グンマ人は、トチギのスパイらしき者を見つけると、幅広で弾力のある桐生名物ひも川うどんで捕縛し、よそ者が食べると死に至るという焼きまんじゅうを口に突っ込んで拷問するそうです。そして僕もまた、「まだサンセイドーを知らなかった」ため、同じような恐怖体験をしました。仕事が終わったあと、買い物をしたときのことです。
いちばん優しい社員の新井さんがレジに立っていました。
「はい、クレジットカードね。ポイントカードは?」
「あ、いいっす」
「嘘でしょ?」
「カードだらけでお財布パンパンになっちゃってて・・・」
「チンチンチーン」
新井さんは、レジ脇に設置された、混雑時に鳴らすベルを鋭く叩きました。
いつもの笑顔は跡形もなく消えて、今は般若の形相です。
「捕えろ! こいつはスパイだ! クラブ三省堂カードを持っていない! しかもクレジットカードにTポイントが付いている!」
僕は、先輩アルバイトたちに雑誌を縛るビニール紐で手足を拘束され、正座した腿に『ゼクシィ』を五冊乗せられました。重い、重いです!さらに新井さんが乗ってきました! お尻が近い、近いです!
「貴様ぁ、Tタヤで買ってTポイントを貯める気か!」
「いや・・・勘弁してください。もうカードが入らないんです」
「それならクラブ三省堂のアプリがあるではないか」
「あ、よくお客様がスマホでバーコードを見せてくる・・・」
「そうだ、それなら一ミリも場所を取らんだろうが」
手首の紐を解かれた僕は、その場で入会し、スマホにアプリを入れ、クレジットカードを解約し、ようやく『ゼクシィ』をどかしてもらいました。
これで僕も、サンセイドー人です。駅前のファミマで貯めたTポイントは返ってきませんが。
(クラブ三省堂カードWeb入会はこちらから→http://www.books-sanseido.co.jp)

【三省堂書店 有楽町店(東京都)新井見枝香】



ひとりの男の人生が詰まった傑作短編
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『観光』ラッタウット・ラープチャルーンサップ ハヤカワepi文庫

タイ、バンコク出身の著者による短篇集。
特に紹介したいのはこの中の一篇「こんなところで死にたくない」。
再読直後、鼻水をすすり涙目でこの原稿を書いている。

老境の主人公ペリーは卒中で倒れ半身麻痺になり車椅子の生活。いまや息子夫婦に介護をされている身。しかも故郷アメリカから遠く離れた異国のタイ、バンコクである。息子ジャックの妻はタイ人。孫は混血で自分とは似ても似つかない。息子は異国の言葉を話すので他人に思え、外へ出ても外国人である自分への好奇や同情、哀れみの眼差しが気にかかる。
孤独なのだ。
ペリーの望郷の念は強まるばかり。
亡くなった妻との思い出。
親友であるマックとの最後の外出。

言うことを聞かない体。
幼児に接するような態度を自分にとる息子夫婦。
ペリーは周囲に悪態をつくしか無い。
「こんなところで死にたくない」と。

そんなペリー、息子ジャックと妻ティーダ、孫のガールとボーイの五人で移動遊園地に遊びに行く。

息子ジャックとティーダのダンスを眺め、息子の成長と人間的な素晴らしさを知るペリー。

バンパー・カーにペリーが乗り込み、動く左手と左足で運転し、自らの意思でジャックや孫にバンパー・カーをぶつけていく。笑いが止まらないペリー。
家族皆心から笑い、バンパー・カーをぶつけ合ってははしゃぐ。

ペリーはもう「こんなところで死に無たくない」と呟くことはないだろう。
息子夫婦、孫二人、自分の血の繋がった家族がここにいる。
親から子、子から孫へと家族は繋がり続けていく。終と再生を繰り返すのが人生なのだ。

異国での孤独。望郷の念。先立たれた妻、もう二度と会えない友人。息子家族との疎外感。父親としての威厳。祖父としての寛容。一人の男の人生と家族に受け継がれる人生。一人の男の全てが詰まった傑作短篇である。

ほか、母と息子の絆を描いた表題作「観光」や闘鶏にハマる父と娘の「闘鶏」など七篇が収められているが、
現実に向かい合う中で揺れ動く人々の心情。そして情景が丁寧に描かれたこの短篇集は、何度も読み返し、何度も薦めたくなる大好きな一冊なのだ。

【進駸堂 中久喜本店(栃木県)鈴木毅】



連載 店長・成川真の“ 右往左往 ”
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 本屋さんってとっても特殊な職場だと思います。
まあその、スタッフ募集の張り紙で時給とかを見てもらえば一目瞭然でわかるのですが、ボロ儲けできる商売でもないですし、社員の給料もや、や、安…………なんでもありません(察して)。
 これには諸説ありますが中でも有力な仮説は、元々は本屋の始祖といわれている、平安時代に『源氏物語』を編集・販売した藤原何樫という公家が、『編集』より『販売』の手取り比率を小さく設定したことが1,000年経った後の現代にまで尾をひき、書店の取り分が少なくなっている原因だとか、ちがうとか(信じちゃだめよ)。
 さてさて、そんな薄幸ならぬ薄給の書店員ではありますが、実は『やりがい』という他の職業を大きく上回るアドバンテージを持っているわけです。
 本が好きだ。
 それだけでご飯が三杯食べられます。
嘘です。
……その一点で、他のどんなことにも耐えてしまう屈強の精神力の持ち主、ツワモノがこの業界にはたくさんいるわけです。まあ、一種のヘンタ……究極の本好きです。
 会社員である前に書店員、書店員である前に人間、人間である前に本好き……そんな理論でオールOKな人がたくさんいまして、この業界ではエンゲル係数ならぬホンゲル係数(家計の消費支出に占める雑誌・書籍購入費のパーセント)なる言葉が、公然と飛び交うわけであります。
 「ご飯を節約して本を買う!」
 これに関しては、嘘でも冗談じゃないんですよ。
 さてさて、そんなヘンタ……究極の本好きが集まる書店員同士が、何かの折りに知り合いになったりすると、会社が違うとかまったく関係なくなったりします。もちろん、ライバル書店だったりすると競争心がまったくないとは断言しませんが、前述した通り「人間である前に本好き」なわけですから、本の話をするとめちゃくちゃ盛り上がって、他のことが関係なくなっちゃう。
 そういえばついこの前聞いた話ですが、とある書店員の知り合い同士が、ファミレスで七時間半もノンストップで本の話をしていたそうです。終わった後、「まだ話し足りないなあ」なんていっていたそうで。なんでも一日のうち二食をそこですませたそうですけどね、ファミレスにしてみればたまった話じゃないですよね。
 え? 誰のこと? あ、あくまで聞いた話ですよ! 誰かは白状し……言えません!
 小説が好き、マンガが好き、ノンフィクションが好き、ビジネス書が好き、絵本が好き、BLが好き、etcetc……。毎日本に触れ合えて、POPでおもしろかった本をお薦めして、それが買って貰えたりして。そんな些細なことが、とっても嬉しくて、一人でも多くの本好きを増やそうとがんばっている書店員さんが日本各地にいます。
 ほとんどの書店員のPOPの原点は、「この本を売りたい!」ではなくて「この素敵な本を読んでもらいたい!」だったりします。さあ、明日から本屋さんでPOPの文言を眺めてみましょう。そして、『ああなるほど、ヘンタ……究極の本好きだなぁ』とニヤリと笑ってやりましょう。
 ちなみに、この晴読雨読に参加している書店員はすべて究極の本好…………ヘンタイです!
 (あれ? どっかまちがったか?)

【ブックポート203(神奈川県)成川・裸・真】



掲載作品リスト
書肆情報は『はれどく vol.6』作成時のものです。
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by haredoku | 2014-07-07 21:51 | 『はれどく vol.6』