全国の書店員による、おすすめ本のフリーペーパー「晴読雨読」通称"はれどく"の公式ブログです。


by haredoku

プロフィールを見る

カテゴリ

全体
ごあいさつ
配布店一覧
『はれどく vol.12』
『はれどく vol.11』
『はれどく vol.10』
『はれどく 別冊』私の本屋大賞
『はれどく vol.9』
『はれどく vol.8』
『はれどく vol.7』
『はれどく vol.6』
『はれどく vol.5』
『はれどく vol.4』
『はれどく vol.3』
『はれどく vol.2』
『はれどく 創刊号』
試し読み部
はれどく 旅部
未分類

検索

カテゴリ:『はれどく vol.7』( 2 )

『はれどく vol.7』 後篇

d0315665_11184010.jpg


『あおぞらビール』森沢明夫 双葉文庫 9784575713916 ¥648 + 税
『ゆうぞらビール』森沢明夫 双葉文庫 9784575714166 ¥630 + 税
語られるエピソードの数々に男は共感と憧れを抱き、女は「オトコって馬鹿な生き物ね」と思う。男と女が唯一共有できるもの、それは爆笑。
【蔦屋書店 イオンモール幕張新都心(千葉県)後藤美由紀】

『聖書男(バイブルマン)』A.J.ジェイコブズ/阪田由美子 訳 阪急コミュニケーションズ 9784484111117 ¥2,600 + 税
日頃、よほどのことが無い限り、宗教とは深く関わらない人にこそ読んで爆笑して欲しい本です。分厚くて大変かと思われますが、自分が気になったとこだけ読めば良いような…(著者は真剣そのものですが)。
人間の本質的な知的好奇心が、この『聖書男』には詰まってます。読み終わったあと、何が残るでしょう? そんなワクワクを満たしてくれる一冊です。ついでに、気が向いたら旧約、新訳聖書の読破もお勧めします。
【きー@ツィッター @keyblackcoffee】

『絶叫委員会』穂村弘 ちくま文庫 9784480430663 ¥680 + 税
「でも、さっきそうおっしゃったじゃねえか!」
クライアントの意向に従って修正したプランを、前言を覆すかたちで否定され、堪えかねて叫んだ(友人の)同僚の言葉。日常の中の「偶然性による結果的ポエム」という、歌人ならではの言葉への視点に、想像力を刺激する笑いがあります。
【明林堂書店 大分本店(大分県)前畑文隆】



d0315665_11221145.jpg


『ラブコメの法則』東山彰良 集英社 9784087754186 ¥1,500 + 税
メリーもくびったけ・・・いや、まっさお!? メリーどころかギリーもビビアンもモリーもアナもひっくり返るラブコメの法則。おげひん、シモネタ、くだらなすぎるアレコレ・・・苦手な方はご遠慮ください!!
【丸善 津田沼店(千葉県)酒井七海】

『めくるめく』田丸さと マッグガーデン(全4巻) 9784861276224(1巻) ¥571 + 税
平穏なはずだった。有國が決闘状を送ってくるまでは。不良顔で損した日があったとしても。ときっと善はそう思っているだろう。ゆる~く、濃いメンバーの高校生活を頭のネジ緩めてどうぞ。
【未来屋書店 亘理店(宮城県)松本めぐみ】

『窓から逃げた100歳老人』ヨナス・ヨナソン/柳瀬尚紀 訳 西村書店 9784890137060 ¥1,500 + 税
笑い…うーん、今年ここまで(7/25現在)読んだ本だとコレかなぁ。だってさ、象の○ンコ踏んでこけたところに象が座り込んできて死ぬとかもう笑わなしゃあないやん。昔の筒井康隆を彷彿とさせるドタバタ、笑うわ~。
【紀伊國屋書店 京都営業部(京都府)川村学】

『まめねこ』(既刊3巻、以下続)ねこまき さくら舎 9784906732470(1巻) ¥1,000 + 税
抱腹絶倒とまではいかないですが、一緒に暮らすことになった子ネコたちと、普通だけど超個性的な家族との日常が、平凡なのににぎやかで、思わず笑みがこぼれて猫のいる生活が楽しめます。私は「肌色」が好きです。
【七五書店(愛知県)森晴子】



笑いのおすそ分けは本に限る
d0315665_11261960.jpg

 笑う、というのは何も大口開けてガハハと笑う呵呵大笑だけではない。ではないのだが私は「あはは」と笑う。正しい笑い方の教科書がもしあれば、お手本通りだと思う。多分。中学生の頃その笑い方を友人に指摘されて恥ずかしい思いをしていたら、当時好きだった男の子が「アハハと声に出して笑うのが一番体にいいんだよ」と助け舟を出してくれた。あれ、両想いだったのじゃないか13歳の私! おかげで思春期に人前で笑うことを恥ずかしいと思わなくてすんだ。今でも笑うたびに彼のことを思い出し・・・たりはしないけれども感謝している。
 本を読んで「あはは」と笑えているうちはいい。堪えようとしても堪えきれずブハハ! と吹き出してしまう本がある。その「ブハハ本」の鉄板中の鉄板が「爆笑テストの珍解答500連発シリーズ」(鉄人社)だ。これが腰が砕けるくだらなさ。自分のバカを棚に上げて笑い倒すのが正しい本書の読み方。
 気持ちよく笑える「アハハ本」としては売れっ子女芸人オアシスの大久保佳代子さんの「美女のたしなみ」(徳間文庫)。美女? 美女って! とまずタイトルに突っ込みたくなるわけですが、(←失礼)。自身の容姿をネタにしてブレイクした彼女らしい、合コンやら何やらの男にまつわる小話が思わず吹き出す面白さ。身を削るってこういうことを言うんですな。
 この本を売りたいがために何度もフェアを組んだ思い出があるのが「死にたい」(バジリコ)でもこれ現在品切れ中でもう仕入れられないんです。死にたい。と、いう風にオチが必ず死にたいで締められている本でした。
 面白画像を集めた「ジワジワ来る○○」(アスペクト)も涙が出る程笑いました。こうやって並べてみると後腐れのない、使い捨てるタイプの都合のいい女のような笑いが私の性に合っているよう。
 一人きりで心ゆくまで大笑いするのもいいけれど、それってなんだかちょっと寂しい。笑いは誰かと分かち合ったほうがいい。「ねえこの本見て! 超面白いよ」と笑いがさざ波のように広がっていく。学校で、会社で、同じ本を読んで涙が出る程笑う。なんて平和な昼休みの風景であることか。はれどく読者の皆様。どうぞ、笑いのある素敵な昼休みを!
【成田本店 みなと高台店(青森県)櫻井美怜】



「笑える本」は書店を救う!(ただし売れた分だけ)
d0315665_11315439.jpg

 残暑ざんしょ。アツいアイツ。氷を小売り。地球温暖化対策の切り札はオヤジギャグの普及しかない、と確信する自分にとっての座右の書はKYではなく敬愛する多治家礼(ダジャ・レイ)先生による『ダジャレ練習帳』(ハルキ文庫)である(こういう本が書店の棚にすまし顔で並んでいる光景がたまらなく好きだ)。「読んでくだシャレ」のフレーズに誘われてTPOにOJT(応じた)テキストで学ぶこと十数年。一向に気の利いたシャレの腕はあがらず腰を痛めて脳内ヒートアイランド現象が異常過熱。レイ先生にお礼も言えずに困惑の日々(振り出しにもどる)。
 落伍者となってから頼るべきはやっぱり落語家。汚れたときは風呂に行け。困ったときはプロに聞け。「ご遺族は今、悲しみのズンドコに沈んでいます…」の帯文も眩しい立川談四楼師匠(失笑ではない)の『声に出して笑える日本語』(光文社知恵の森文庫)を読めばまさに王道の笑いに出合える。伝統芸の安定感。シャープな切れ味が魅力の一冊。人前で読むときは十分にご注意を。
 微笑に苦笑。後からジワジワとくる笑いを味わいたければ花壇の野菜よりも歌壇の鬼才。穂村弘氏の『絶叫委員会』(ちくま文庫)を絶対的にオススメだ。シュールでクールでナンセンス。「でも、さっきそうおっしゃったじゃねえか!」思わず口に出してしまったフレーズが何とも奇妙で微妙な空気を醸し出す。歌謡曲の歌詞や街頭演説に電車の吊り広告、果ては妻の寝言まで…日常生活からこぼれ落ちた笑いの集積がここにある。
 ここまで既刊の文庫判ばかりを紹介してしまったが新刊の単行本もたいそう元気だ。啖呵を切るより短歌を詠むより担架に乗るより(しつこい!)単価を上げよ。表紙の写真からとびきりの笑顔が満載の『ど・スピリチュアル日本旅』(幻冬舎)は爆笑を通り過ぎて哄笑間違いなし。著者はあのたかのてるこ氏。ガンジズ河を皮切りに世界中を旅していた彼女がついに日本逆上陸。想像を超越した逆輸入的な面白さが! とりわけ娘以上に強烈キャラの「おかん」と旅した伊勢珍道中は神様もビックリ。神々しい聖地でこの騒々しさ。ご利益よりもバチあたり? しかし読めばとんでもなく元気になること間違いなし。妖しいビタミン剤よりこの本を。笑いが幸せをもたらす事を実感できます。
 頼まれてもいないが最後に謎かけをひとつ。「高校球児」とかけて「書店員」ととく。そのこころは「汗水流して白球(薄給)を追いかける」お後がよろしくないようで、深く反省。笑えなくてすみません。
【三省堂書店 神保町本店(東京都)内田剛】



連載 店長・成川真の〝右往左往〟
d0315665_1138639.jpg

 みなさま、【よつばと!】という歴史的漫画をご存じでしょうか? なんとご存じない? でしたら、今すぐ書店に走れっ!
 …………とりみだしまして失礼いたしました。つきましては、これより私も真摯にこのコラムを進行させたいと考えております。これから気をつけます。
 あずまきよひこ作『よつばと!』(アスキー・メディアワークス)は 〝 もはや『サザエさん』や『ちびまるこちゃん』に匹敵する国民的漫画 〟 と個人的に決めつけておりまして、反論もいっさい受けつける気はないのですが、もし反論やクレーム等がありましたら、すべて、別ページでコラムを書いておりますアヒルの方に言っていただけますでしょうか。
 さて、この漫画が世間の皆様の人気を獲得し、私の心を奪った要因はたくさんありまして、あげていくとこのコラムが終わってしまいますので割愛させていただきますが、そのひとつの要因に 〝 笑いの要素 〟 があることはまちがいございません。
 主人公・よつばの行動が、かわいらしくて、そして笑える。しかもレベルが高い! 個人的に大好きなのは、よつばのとーちゃんが 夢 の 中 でお菓子を食べてしまい、寝ぼけたよつばがとーちゃんに「ゆめでもあやまって!! ゆめでもだめでしょ!! おとななのに!」と詰め寄るシーン。あ、ネタバレすみません。気になる人は買ってください。
 このように、大人にとっては理不尽でも、子供にとってはごくごく当たり前の世界が、とてもおもしろかわいく描かれているわけです(あずま先生、すごいな……)。
 ただ、子供と関わる機会の多い方にとっては、意外と『よつばと!』はあるあるネタだったりするかもしれません。「うちの子、よつばみたい!」と思っているご両親は意外と多いような気がします。
 ええ、うちにもいるんです……よつばが……。
 先日、ボクの友人たちみんなでデイキャンプをやることになりまして、まあデイキャンプといっても結局バーベキューなんですが、やったんですけども。そこに小学生の娘を連れていったんですね。人見知りをまるでしないうちのよつばは、初対面の大人たちにいきなり違和感なく溶けこみ、とーちゃん(私)のプライベートでのマル秘行動を暴露したりするわけです。
 まあまあ、ここまではよくある話なのですが、小さな子供が初対面で何人もの大人の顔と名前を覚えられるはずもなく、わかりやすいあだ名をつけて覚えようと決心したわけです。「じゃあ、この人は……〝 おじさん 〟。この人は……〝 白いおじさん 〟。この人は……〝 黒いおじさん 〟」
 はい、全員、おじさんです。シャツの色で選別です。ああ、一人だけ、〝 ハワイアンズ 〟 と名づけられた人がいます。正解です、シャツがアロハだからです。しかも、なぜか複数形です。
 そんなうちのよつば、書店員の娘にもかかわらず、まったく本を読みません。とーちゃんは本ばっか読んでるのに、テレビと漫画大好きです。そんな娘がこの前「なんかおもしろい本買ってきて」というので、張り切りましてね。よっしゃ、ここは本屋さんやってるとーちゃんの腕の見せ所! というわけで、角田光代さんの『キッドナップ・ツアー』(新潮文庫)を買っていったわけです。何しろ夏休みだったので、時期的にもバッチリ! 二か月前からいなくなっていた実のお父さんにユウカイされちゃう小学生のお話。いや、ミステリものじゃないです。とってもいいお話なので、オススメです。
 そんなあらすじを話しながらうちのよつばに本を手渡すと、即座に「パパはそんなことしたらダメなんだからねっ!」とお叱りの声が。「ダメかぁ。ディズニーランドにユウカイしてもダメかぁ」というと、「………………………………それはいい」と、ほんと小さな声が返ってきました。
 こんな風に子供って、いつも天然のボケをかまして、それが大人の心をくすぐったりしますよね。そんな風景がつまっている漫画が『よつばと!』です。まだ読んだことのない人は、ほんっと、ほんっとに、今すぐ書店に走れっ!
 ど、どうして私がここまでっ、『よつばと!』をオススメするのだと思いますかっ!? ……だっ誰が誰にオススメじでもおんにゃじ、おんなじじゃと思っでぇ! ウハッハーン! それなら、オレがぁ! オススメしようと思っでぇ! あ、あなたにはわからないでしょうね!
  ………………………………ゴホン。えー、みなさま、私自身が感情的にならないように最初に申し上げましたのに、取り乱しまして申し訳ございません。
 この場で裸になって謝罪いたします。
【ブックポート203(神奈川県)成川真】



連載 アヒル書店員の無駄話ですガァ
d0315665_11401281.jpg

ガァ! はいどーもアヒルです。
いやー、前回の反響が続々と来ましてですね。
「読みましたよ。笑っちゃった。でも、はれどくにあれはどうなんですかね?」
「笑った。でも、あれはどうなの?」
「なにあれ?」
「・・・?」
うん! おおむね好評!

というわけで、滑り厳禁の地獄のテーマ「笑い」いってみましょう!

さて「笑いとは緊張と緩和である」と言ったのは、天才的センスで独自の笑いの世界を創り上げた、二代目桂枝雀ですが、この視点で面白い本を探っていきましょうか。あ、今回は「知的な笑い」に絞っていきますね。成るなんとかさんとは違うので。

例えば、SF作家スタニスワフ・レムの『完全な真空』(国書刊行会)という作品は架空の本についての書評集です。かなり難解そうな本についての書評ばかりということで読者とこの本の間には、知的な緊張感が漂います。しかしこの架空の本というのがむちゃくちゃな本で、絶対にこんな本は成りたたないだろって思うようなものばかりなんですよ。ここにその知的な緊張感とあまりのありえなさからくるバカバカしさという緩和で笑いが生まれているのです。ただし、突っ込み不在のボケだけなので、楽しむためには読者の知的レベルも要求されます。

このような本は結構ありまして。本格的で真面目な本に見えて、実は真剣に悪ふざけしている本、例えば架空の動物図鑑、ハラルト・シュテュンプケの『鼻行類』(平凡社ライブラリー)。鼻で歩く鼻行類という動物の生態について学術的な文章と詳細な図版を使って書かれた本です。また、最近復刊された『幻獣標本採集誌』(江本創、風濤社)幻獣の剥製を集めたこの本、モンスターの干物の写真が大量に載っていて、好き者にはたまらないのですが。剥製を提供したのが、謎のロシア人科学者A・ヒロポンスキー博士というね、すでに名前が出落ちですよ。危険ドラックどころじゃない。同じ作者の『幻獣標本箱』もオススメ。

すいません、今回ちょっとIQ高い感じの話ばかりですね。僕の賢いところが隠しきれずに出ちゃいましたね。では、最後にご紹介させていただく本ですが、これこそかなり知的レベルの高さが要求されてしまう本です。さて、その本とは。

『大うんこ展』(伊藤ガビン、タナカカツキ、パイインターナショナル)。この本は架空の「大うんこ展」という小学生が泣いて喜びそうな展覧会の公式図録です。ここには古今東西のあらゆるうんこの絵が収められています。大きなうんこ、ちいさなうんこ、たくさんのうんこ、芸術的な巻き方のうんこ、クロマニヨン人が描いたうんこ、不可能うんこ、宇宙うんこ。うんこは宇宙言語なんだぁとグローバルな気持にさせてくれる一冊です。
うんこー! さいこー!

・・・・・・

(はれどく編集長の背の高い人)「おいちょっと、アヒルこっち来い」
(アヒル)「あ、ボス!なんすか、なんすか」
(背が高い)「なんだこれ、締め切り過ぎた上に結局シモネタか?」
(アヒル)「いや、違うんですよ。今回のテーマ「笑い」を「緊張と緩和」という切り口で語るというですね、知的なですね、前半は難しそうな話で緊張させておいて、最後にうんこっていうね、、、さらに、うんこというと、出す直前までの緊張感と開放した後の緩和という、それがダブルミーニングにもなっているっていうですね、、、」
(鬼高い)「なに言ってんのかわからねぇし、苦情くるぞ」
(アヒル)「あ、それは大丈夫です。もし苦情がきた場合には、成川店長の所に全部丸投げするつもりですから」
(鬼)「連載も今回で終わりかなぁ~」
(アヒル)「あ、これパターンですか? も~わかりましたよ、やり直せばいいんでしょ。じゃあ最初から、、、」

ガァ!はいどーmo
【bibduck】



伊集院の話
d0315665_11453412.jpg

元々はメールマガジン用に書かれたエッセイをまとめたシリーズ「のはなし」
いつのまにやら刊行がすすみ現在では「のはなしに」「のはなしさん」「のはなしし」まで四冊が刊行されています。
気分がアッパーでもダウナーな時でも読めばイッパツ! ガツンとキマる活字ジャンキーの僕にとっての合法道楽。移動の間や、むしゃくしゃした時にパラパラとお気に入りの話を読む。「笑える話」から「心にグッとくる話」「くだらない話」等々を読んでいるといつしかヘラヘラ笑っている自分に気づく(涎は垂らしませんよ)。
数ある話の中でも伊集院さんの「死」に関する醒めたスタンスが興味深い。
親友の死や大師匠の死に際してもめんどくさがりで屁理屈屋の真骨頂を発揮してごねまくる。そこから透けて見えてくる死に対する不安や恐れをスルリと笑いに転嫁して(昇華はしない)。他人の目を気にせず笑いと言うオブラートに包んで書く本音とそこに見える愛情。
書き残すことで忘れてしまう事のないように。ラジオでの「黒い伊集院光」、TVでの「白い伊集院光」、と共に「エッセイの伊集院光」はともすれば消えて流れて行ってしまう「笑い」を活字としてこの世に残す為に書くのだろう。・・・多分違うけど。
TVのほんわかとした知的な彼とラジオでのリラックスしたブラックな彼。そのどちらのテイストも味わえるのがこのエッセイ。「細けぇ~な~」って思いながら共感し大笑いしてドン引くのが一番の味わい方だと思います。
そもそも伊集院さんに興味を持ったのは自分と同じ1967年生まれだと聞いてから。
身長も同じ183㎝。共に小さいころからの関東では希少種の同じパリーグファン(伊集院さんは日ハムで僕は近鉄ファン)。
そして奥さんが元・アイドル・・・ってところは同じではありませんがウチの奥さんもそれはそれでカワイイところもあるんですよ。
新婚当時、同居するうちの母親から「近所のスーパーマーケットでアスパラとバラ肉を買ってきてね」と買い物を頼まれた奥さん。「は~い」
ちっとも帰ってこないと思ったら一時間後ぐらいに電話が入り
「お義母さん! バラ肉が売って無いよ!! この店、牛と豚と鳥のお肉のコーナーしかないよ!」と言うカワイさ。・・・これがオチってどうなのよ?
そして、今週もまたいいトシして伊集院さんの深夜ラジオを聴く。いつまで聴くんだろう? 多分伊集院さんがラジオを辞めるその日まで。そしてラジオが無くなっても「のはなし」の続編を待ち続けよう。
【サクラ書店 ラスカ平塚店(神奈川県)栁下博幸】



作品リスト
d0315665_11481270.jpg

[PR]
by haredoku | 2014-10-10 11:50 | 『はれどく vol.7』 | Comments(0)

『はれどく vol.7』 前篇

『はれどく vol.7』 テーマは【笑い】 !


前篇


d0315665_938751.jpg
d0315665_9381578.jpg




シンプルで笑える、でもそれだけじゃない。四コマ漫画入門
d0315665_940026.jpg

「笑い」というテーマを聞いたとき、真っ先に思いついたのは「四コマ漫画」というジャンルだった。
起承転結がはっきりしていて最後にオチがつく、というのが四コマの基本形。読みやすく、わかりやすいのが魅力ではあるが、雑誌で読切感覚で読まれることが多かったり、単行本になっても売れにくかったりする。
しかし四コマ単行本は、相性が合えば再読性がとても高く、コストパフォーマンスのよいものなのだ。新聞四コマに代表されるように形式としてはなじみ深いものだし、もっと読まれてもよいはず、と常々思っている。
今回は、人気作家の作品の中から、幅広くおすすめできそうな作品を五つ紹介する。

むんこ『だって愛してる』(芳文社)は全三巻。売れない作家である夫と、それを支える妻の物語。読むほどに「だって愛してる」というタイトルがじわじわと沁みてくるストーリーが最大の魅力。夫婦もの四コマ不朽の傑作だと思っており、まず第一に推す。
佐藤両々『わさんぼん』(芳文社)は既刊三巻。四コマには「お仕事もの」が多いが、これもそのひとつで、和菓子職人の話である。一見いい加減だけど仕事に対しては真面目な主人公と、融通が利かないけど根はいいやつなライバル的存在、そして強く可憐で魅力的な女性陣、などなど。とてもバランスのいい四コマ。
小坂俊史『ラジ娘のひみつ』(竹書房)は既刊一巻。四コマ界で「王子」と呼ばれている著者には他にも代表作があるが、あえてこれを推す。ラジオ局を舞台にした、毒があってとても切れ味のよいまっとうなギャグ四コマ。
重野なおき『うちの大家族』(双葉社)は既刊十二巻。長寿シリーズというだけで少しおすすめしづらくなるのだが、日曜夜六時台にこの作品を原作にしたTVアニメが放映されていてもおかしくないくらいの大家族コメディの傑作。一巻本の「ベストセレクション」も発売されているので、そちらから入るのがいいかもしれない。
そして、宮原るり『みそララ』(芳文社)は既刊六巻。私が四コマ単行本をおすすめするときには外せない作品。デザイン会社を舞台にした、これもいわゆる「お仕事もの」だが、人と人との信頼関係があってこそよい仕事が生まれるのだ、ということがきちんと描かれている。四コマとしての面白さも申し分ない。
【七五書店(愛知県)熊谷隆章】



この笑いが、本当に怖い
d0315665_10462991.jpg

ここ十年のホラー映画の変化にPOV演出というものがあります。POVとは 〝 Point of View 〟 の略で、主観視点のことです。映画の主人公が撮影してしまった恐怖の映像が後に見つかり・・・という形をとることも多くファウンドフッテージとも呼ばれています。低予算で大ヒットした『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999年)以降、ホラー映画との相性がよく『REC/レック』(2007年)、『パラノーマル・アクティビティ』(2007年)、『クレイヴ・エンカウンターズ』(2010年)などホラー映画のヒット作はPOV演出が目立ちます。

さて、本書は怪奇小説の短篇集ですが、表題作である『ゴースト・ハント』はこんな言葉で始まります。

〝 ラジオをお聴きのみなさん、いかがお過ごしでしょうか、こちらはトニー・ウェルドンです。ゴースト・ハントの第三回目の時間がやってまいりました。〟

全編がトニー・ウェルドンのレポートで語られるラジオ番組という形です。
ラジオ実況であるがために、見えない状況を読者が思い描くことで恐怖が増幅されていきます。

ウェルドンが冷静に状況をレポートしていきますが、徐々にそれが不可解なことだとわかって来ます。
そして恐怖のあまり冷静さを失ったウェルドンはこうレポートします。

「はっはっはっはっ、わたしいま笑ってますね、みなさん」

この笑いが、本当に怖い。

本作の発表は1961年の『冥界より彷徨い出でし者』という短篇集。
いまから50年以上前の小説でPOV映画のような恐怖を体感できることに驚きます。

1920年代から活躍した英国怪奇小説の名手ウェイクフィールドの『ゴースト・ハント』は、レポーターのウェルドンのように読者は恐怖のあまり引きつった笑いが出てしまう傑作短篇集です。

ちなみに前述の映画『クレイヴ・エンカウンターズ』はテレビの超常番組スタッフがとある精神病院で遭遇する恐怖を撮影したファウンドフッテージもの。『ゴースト・ハント』の現代版といっても良い内容でこちらもオススメです。
【進駸堂 中久喜本店(栃木県)鈴木毅】




ごらん、本が息づいているよ
d0315665_10515498.jpg

ちょっと内輪っぽいかなと思いつつ、今回のテーマにぴったりと思った二冊を紹介します。

 能町みね子『雑誌の人格』(文化出版局)は雑誌の擬人化読み物。国会図書館に通いつめバックナンバーを読み込んだ著者が、各雑誌の読者像を独断と偏見で想像。年齢、容姿、家族構成、趣味など「勝手に考えて」各雑誌3ページ、約40誌の「人格」をイラストと文章で紹介しています。こんな感じ。
 小悪魔アゲハさん。年齢:22歳。職業:夜の蝶。家族構成:息子(飛宙凛)。好きな言葉「盛る」好きな場所:やっぱ地元やろ。
 フラウさん 年齢:31歳。職業:会社員。居住地:東京都新宿区。家族構成:一人暮らし(猫を飼いたい)。好きな俳優:西島秀俊。行ってみたい国:バルト三国。
 レオンさん 職業:会社役員。居住地:東京都港区。家族構成:一人暮らし(3LDK)趣味:時計、ゴルフ……というか、本当は特にない。愛用品:パテック カラトラバ。
 それはいいすぎだろ! という部分と、そういわれるとそうかも? という部分のバランスが絶妙でありまして、この本が出た頃ちょうど雑誌のメイン担当をしていた飯田は大変爆笑しつつ売場づくりの参考にしておりました。雑誌が好きな人はいわずもがな、そうでもない人はこの本を入口にめくるめく雑誌ワールドに足を踏み入れて頂ければ!

 横山了一 加藤マユミ『飯田橋のふたばちゃん』(双葉社)は、見た目は悪くないのにいまいちぱっとしない双葉ちゃん(この設定からもう始まってます)が、学校の友だちの集英ちゃん、講談ちゃん、小学ちゃん、秋田ちゃんらと織りなす業界ネタ満載(というか本当それのみ)の出版社擬人化日常ギャグ四コママンガ。各キャラクターはその出版社の刊行物と社風(経営状態、体制なども含めて)を体現していて、若干、いや相当ハイコンテクストではあるのですが、ところどころぷふふと笑ってしまいます。「そういやあれもここだった!」とはっとさせられることも多く、ミステリの鮮やかな伏線回収にも似た爽快感があります(個人的には第20話「たのしめ! 幼稚園」などはその意味で非常に好きな回です)。この本をきっかけに出版社を気にしながら本をよんでみてはいかが!
【飯田正人(書店員)@IIDAMASAT0】



鯨統一郎と蘇部健一の時代が、そのうち来るぞ。たぶん、きっと……?
d0315665_10554168.jpg

「第二問」
 部室に緊張が走る。
「ファイブボンバーです」
「ネプリーグ方式!」
鯨統一郎『歴史バトラーつばさ』(PHP文芸文庫)より)

 東川篤哉が本屋大賞を受賞した時、こんな緩いギャグミステリが受けるなら、鯨統一郎と蘇部健一のアホミスが受ける時代だって来るはず、と言ってきたのだが、一向にその気配が見られない。なので、ここで布教活動をしておきたい。

 鯨統一郎はデビュー作『邪馬台国はどこですか?』がある意味頂点で、それを越える作品にはなかなか出合えない。が、バカバカしさは増してきて、そっち方面では脂が乗ってきている。事件現場に現れては「この事件は、「ペッパー警部」の見立てです!」と無理やり懐かしの歌謡曲に当てはめる間暮(まぐれ)警部シリーズ『「神田川」見立て殺人』(小学館文庫)と、女子高生うららがタイムスリップして過去の大事件に遭遇する『タイムスリップ森鴎外』(講談社文庫)シリーズが凄い。前者はたった一冊で紅白歌合戦の出場歌手と曲名を全てもじって見せる『マグレと紅白歌合戦』がくだらなさ過ぎて逆に感動。後者では、『タイムスリップ釈迦如来』のラストシーンのバカバカしさと豪華絢爛ぶりは一生忘れないと思う。『タイムスリップ水戸黄門』では、黄門様ご一行が現代にタイムスリップする。例のあのシーンをどこで、誰に対してやるのかが最大の見所だろう。

 蘇部健一はトホホなデビュー短編集『六枚のとんかつ』がなぜかシリーズ化して4作も出ている。1作目の文庫版には、初刊当時あまりにも下品だとダメ出しされてボツになった作品も日の目を見ている。そのタイトルは……さすがにここでも書くのは憚られるので、実物に当たって欲しい。ラスト1ページのイラストで落とすパターンのミステリも得意で、ツボに嵌れば笑えるはず。
 近年はなぜか感動恋愛ミステリ路線がお好みなようだが、感動させようとしてるのに不思議と笑いが込み上げてくるのは、『六とん』の印象で読んでしまうからだろうか?

 小説の出来はともかく(失礼)、爆笑というよりは「苦笑」の世界だが、気が付けばそれがクセになるはず。さあ、ブームが来る前に読むべし!(頼むからブームよ来てくれ……)
【啓文社 コア福山西店(福山市)三島政幸】



【書店で婚活!?】
d0315665_1133034.jpg

出版界唯一の専門紙「超新文化」の片隅に掲載された小さな記事が話題を呼んでいる。

【書店で婚活!?】

『ナショナルチェーンいち自由な社風といわれる三省堂書店が、また業界の注目を集めるサービスを始めた。その名も<逃げ恥婚活by三省堂>女性社員の結婚率低下を心配した副社長が、30代以上の数十人にヒアリングしたところ、「仕事が楽しいので恋愛している暇はない」「結婚はしたいけど旦那に毎日ご飯を作るのとか絶対無理」といった声があがった。さらに「むしろ炊事洗濯掃除をしてくれる人募集」「親を安心させたいが、私は同性愛者だ」といったびっくり発言まで飛び出して、副社長は聞いたことをやや後悔した。しかし有楽町店のこじらせ系独身社員が、「イケメンのハウスキーパーほしー」と口にしたことで、副社長はひらめいた。海野つなみ先生のコミック『逃げるは恥だが役に立つ』(講談社)のように、条件と気の合う者同士を契約結婚をさせてしまえばいいのではないか、と。主夫になりたい男性に、バリバリ働きたい女性が賃金を払い、ルームシェアのように同居すればいいのだ。そこで三省堂書店では、『逃げ恥』の購入者を対象に、店内の一画で婚活パーティーを定期的に開き、『逃げ恥』のような契約結婚を前提とした出会いを提供し始めている。もちろん同社の社員も参加可能だが、それほど給料が高くない書店員は、イケメンどころを外資系OLなどにことごとく奪われ、なかなか条件の合うお相手を見つけられないようだ。』
【三省堂書店 有楽町店(東京都)新井見枝香】



d0315665_1153673.jpg


『学生時代にやらなくてもいい20のこと』朝井リョウ 文藝春秋 9784163752501 ¥1,000 + 税
本を読んでいて「ブハッ」と笑いが吹き出す本なんてなかなかないわたしの秘蔵本。時間の許す限り全力で遊び全力でバカになれる大学生活。お金はないけど時間とチャレンジ力で突き進んでいく自分に正直なその姿は、読んでいるとどんどん心が軽くなっていく清涼本でもあります!
【紀伊國屋書店 横浜みなとみらい店(神奈川県)安田有希】

『三国志男』さくら剛 幻冬舎文庫 9784344422209 ¥730 + 税
今や、科学だの心理学だの著書もある知性派エッセイスト(笑)さくら剛センセイの真の魅力は脱力系アホ旅記にこそある。三国志ゆかりの地を数ケ月かけて廻ったこの本を一度も笑わずに読み終えたヒトは人間じゃないと思うね。
【精文館書店 中島新町店(愛知県)久田かおり】

『おおやまさん』川之上英子 川之上健 岩崎書店 9784265081271 ¥1,300 + 税
毎日、きびしいかおで幼稚園バスを運転してるおおやまさん。いかついイメージの運転手さんが、花に水をやったり椅子を直したりする時にみせる笑顔に、さらにほろっとさせるラストにじわーん。
【ころころむし】



d0315665_1194371.jpg


『ああ言えばこう食う』阿川佐和子 檀ふみ 集英社文庫 9784087473315 ¥520 + 税
言いたいことを言い合える友人関係は、なかなか築きにくい昨今。学生のときに母から借りて読んで以来、お二人のファンに。ユーモアセンスが心地良い。読後は「ゲラゲラボー」と踊りたくなる。
【山下書店 南行徳店(千葉県)髙橋佐和子】

『板谷バカ三代』ゲッツ板谷 角川文庫 9784043662043 ¥590 + 税
お腹がよじれる程笑える本として(私の中で)歴代No.1の地位を未だに破るものがいない怪物的爆笑エッセイ本! 著者ゲッツ板谷氏も、たいそうブッ飛んだ方ですが、祖母→父→弟へと続く濃厚な「バカ遺伝子」に、ヒーヒー笑って、時に号泣させられるのは私だけではないはず! 特に火炎放射器で自宅を全焼させた父(ケンちゃん)の右に出るモノは居そうにない。
【黒木書店 井尻店(福岡県)原田みわ】

『匂いをかがれるかぐや姫』原倫太郎 原游 マガジンハウス 9784838717279 ¥952 + 税
「竹取物語」など代表的な昔話三話を自動翻訳ソフトで英訳、それをもう一度和訳すると……「回転することを強いられ、ある場所に竹盗品の老人と呼ばれるおじいちゃんがいました」って、何のこっちゃねん(笑)。世界一、読み聞かせが難しい本だと思う。
【丸善 津田沼店(千葉県)沢田史郎】

『女子中学生の小さな大発見』清邦彦 新潮文庫 9784101317311 ¥400 + 税
この本を手に取ったお客様は周りを気にせずクスクス、クスクス。そして購入。年齢層も中学生~お年寄りまで。あえて内容には触れません。自分の目で確かめて下さい。絶対に笑えますから!!
【未来屋書店 清水店(静岡県)前本浩美】
[PR]
by haredoku | 2014-10-10 11:50 | 『はれどく vol.7』 | Comments(0)